ロバート・カーク Robert kirk 死因の謎に挑む

背中にナイフ?
背中にナイフ?

※ロバート・カークの死因は!?

 

書簡のやり取りより。

 

 ロバート・カークを考えることは、推理小説を読む解くような楽しさを与えてくれます。

 ロバート・カークとアカデミーの関係を見出せたことは幸運でした。わずかな情報から謎の本質を導きだすという、シャーロック・ホームズにでもなったような高揚感に包まれました。

 こうなると欲が出て、もっと何か出て来ないかと思いました。

 生誕の年や場所といった事務的な情報を除き、カークのプロフィールについてスタート時点で得ていた情報は次の通りです。 


1)1692年に、散歩のコースにしていたドゥーン・ヒルの丘のふもとで、死んでいるところを発見された。 

 

2)埋葬された棺の中にあった遺体は、チェンジリングにより、丸太に変えられてしまった(という噂が流れた)。 

 

3)死後に幽霊となって現れ、人間界によみがえろうとした伝説がある。 

 たった3点だけでした。しかも、2)と3)の犯人は妖精です。ファンタジーを楽しむならともかく、犯人を妖精とした時点でもうホームズに出番はありません。 
 史実に基づく掘り起こしを考えるなら、使える情報は1)しかないということになります。 
 しかし、単に「丘で死んでいるところを見つかった」という情報で何がわかるというのでしょう。 
 これでカークもおしまい…… 、と、あきらめかけてふと気づきました。 
 「丘で死んでいた」と、いうことから、カークの死因を特定できることに気づいたのです。 


 まず、カークの背中にナイフが刺さって死んでいたとしたら、どうでしょう? 
 

 伝説はこんなふうに変わったはずです。

 

 「牧師はナイフで刺されて死んでいた」

 または、

 「牧師は、誰かに殺された」。 

 

 カークは、地元でどんな評判の人だったかわかりません。

 しかし、牧師の背中にナイフが刺さっていたのです。

 聖職者という公的な人間の背中にです。 

 いかに口伝えによるアレンジを受けようとも、話の中からナイフが消えてしまうとは考えられません。

 牧師が死んだというショックな出来事にナイフという具体的なイメージが加わると、異常なほどインパクトのある情報になります。

 むしろ、ナイフであるとか、殺されたということこそ強調されて伝わろうというものです。

 「丘で死んでいるのを見つけた」で済むわけはありません。 
 同じパターンで、首を閉められていたら「首を閉められて死んでいた」になるわけです。 

 

 では、熊か狼にかみ殺されていたらどうでしょう。 
「牧師は獣にかみ殺されて死んでいた」になります。 
 落石の下敷きになったらどうでしょう。 
「石の下敷きになって死んでいた」 

 雷にうたれたのだったら

「雷にうたれて死んだ」
 穴に落ちれば 
「穴に落ちて死んだ」 
 水死したら 
「溺れて死んだ」…… 。 


 つまり、牧師が外的要因で死亡したら、必ず原因を伴う話になるはずです。 
 死んでいるところを見つけたという、事務処理的な話だけ残して、イメージとして伝わりやすい原因の要素が消えてしまうはずはないのです。 

 死因を伝える話になっていないのは、目立った外傷がなかったからであり、外的要因で死亡したのではない証拠です。 

 

 次に、今さらいうまでもないことですが、カークは聖職者です。 
 なので、自殺は考慮しなくて良いでしょう。 

 外的要因でもなく、自殺でもなければ、残りはひとつ。 
 カークは、内なる要因で死亡したのです。 

 

 内なる要因。

 

 もっとも考えられるのは、心臓発作などによる、突然死です。 
 心筋梗塞か、脳溢血か、詳細はともかく、身体の内側を原因として死亡したと断定して良いでしょう。 

 

 「丘のふもとで死んでいた」

 一見そっけないと思える情報にも、シンプルなゆえにかえって伝えているものがあったようです。

 ロバート・カークへの追求で必要なものは、推理力と、あきらめないしつこさなのかもしれません。

 ずいぶん後になってですが、サイトなどを探っていると、カークは心臓発作で倒れたと思われるというような書き込みを見つけました。現地では、心臓発作で死んだという話も伝わっているのかもしれません。いずれにせよ文書による記録があるのかどうかは、不明です。

 

※いよいよお話しは核心へと入ってまいります。

 

「ロバート・カーク ついに正体を現す!?」につづく

 

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「ロバート・カーク チェンジリングの謎(Ⅰ)」