ロバート・カーク チェンジリングの謎(Ⅰ)

"I'll be back"
"I'll be back"

※チェンジリングの謎に挑む! 


※書簡のやりとりより。 

 カークと出会った頃は、何かを考えようにも、素材として使える情報は極小でした。 
 けれど、どの情報も入り口さえ見つければ、その先には意外な答えが待っていてくれました。ナルニア国物語みたいなもので、小さな入り口をくぐり抜けたら、宮殿の広間にでも躍り出るみたいな体験でした。 
  
 「妖精は雲のような存在」という文節からニュートン。 
  「丘のふもとで死んでいた」という伝承から死因。 
 「死後、幽霊になって現れた」という伝説からシェークスピア。 

 限られた情報だったからこそ、結果との差が大きくなってより面白くなり、かえって良かったと思います。 
 そして、これからご紹介しようと思うのが、カークにまつわるチェンジリングのお話です。 
 チェンジリングのお話しで、初期の考察はある程度お伝えすることができると思います。第一段階終了というところです。 
  
 良くご存知のことと思いますが、あらためて申しますと、カークにまつわるチェンジリングのお話とは「お墓の中の死体は消えていて、代わりに丸太が入っていると信じられた」という伝承のことです。 
 情報としてはこれだけです。 
 輪郭すらはっきりしていない話と思ったのですが、ともかく、考えようにも素材としてはもうこれしか残っていなかったのですから仕方ありません。 
 他の素材もそうでしたが、史実の掘り起こしに使うにしては、チェンジリングの話はまた一段と見込みのなさそうな話題に思えました。 
 けれど「丘で死んでいた」という情報だけで、死因を特定できたときも同じ状況だったことを思い出しました。 
 ふとしたきっかけに気づいて、話は広がったのです。あきらめるには、まだ早いようです。 
 この考えは正解でした。やはり、それはやって来たのです!
 

 推理の過程を追体験して頂きたいので、ここからは考察を始めたときに時間を戻します。 

 このときの推進力は「小さな入り口をくぐり抜けると、そこは宮殿の大広間だった」という、目的を果たしたときに包まれる、あの高揚感への期待でした。 
  
 「時間はかかろうとも、何か突破口になるような切り口を見つけてやろう」 
 

 ところが、意外にも考察開始とほぼ同時にそれはやって来たのです。 

 「棺の中の遺体は丸太に代わっていた…… 、棺の中の遺体…… 、棺…… !?」

 「ああっ、そうか!!!」 

 チェンジリングの話、あらためて見直してみると、実に重大な事実、そうです、なんと、時間を超越したある事実を語りかけてくれていたのです。 
 まさに宮殿につづく扉の発見です。 
 目論みは大成功!おかげで、またまたあの高揚感を体験できたのです。これこそ謎解きの醍醐味です。 
  
 では、このつづきは来週に…… 、いえいえ冗談はさておき、本論に戻ります(^_^;) 
  
 つまりこういうことです。 
 当初、輪郭さえおぼつかない、あやふやな話としか思えなかった「チェンジリング」ですが、ある重要な事実を伝えていたわけです。 

 それは!? 
 

 カークの遺体は、少なくとも一度は棺の中に収まっていたということです! 
 チェンジリングをするためには、そもそも遺体は棺の中に収まっていなくてはなりません。

 棺の中にあればこそ、チェンジリングによって丸太にも代わるわけです。 
 棺の中に納まっていたということは、りっぱなひとつの事実です。

 で、あるならば、自動的にもう一つの事実が浮かび上がって来ます。

 

 それは?。

 

 チェンジリングの直前にカークの遺体の置かれていた場所を示すということです。

 

 それは?

 

 自宅です。カークの遺体は、チェンジリングの直前に自宅にあったということです(ここで言う自宅とは、牧師館など、遺体の安置に適切な屋内施設という意味です)。

 

 なぜかを申します。 
  

 近所の野原で家人の遺体を見つけたとします。 
 そこへ棺を持って行って遺体を入れる人はありません。まず最初に遺体を自宅まで運びます。

 遺体はそこで棺に入ります。

 一度でも棺の中にあったということは、カークの遺体は発見後に自宅まで運ばれたことを保証する証拠になるというわけなのです。 
 つまり、チェンジリングの話は、2つの事実を告げていたわけです。 
  
 1、カークの遺体は少なくとも一度は棺に納まった。

 2、カークの遺体は発見された現場から自宅に運ばれ安置された。  

  

 1692年5月15日早朝、カークは、冷たくなった遺体で発見された。驚きと嘆きに包まれながら、遺体は家族の手によって住居にしていた牧師館まで運ばれた…… 。

 すべてが霧につつまれたようなぼんやりとしたイメージしか浮かばなかった死の前後の状況に、突如、ここだけが鮮烈な映像となって現れ出たのでした。

 

 ところで、ここでは基本的な考えをご理解頂きたいので、話をわかりやすくするためにあえて簡略化して申しています。

 伏線も含めた詳細な考察の過程を披露すると、話が膨らみすぎてエッセンスが伝わらないと思うからです。 
 例えば、遺体は、必ずしも自宅に運んでから棺に入れたとは言い切れないのではないかと思われるかもしれません。

 細かく考えれば、棺も運搬手段には使えるので、あるいは戸板や担架の代わりに自宅まで運ぶのに使った可能性を否定はできません。 
 でも、運搬道具として棺を使ったかどうかを深く考えても意味ありません。重要な鍵は、カークを自宅に運んだかどうかです。 
 カークの遺体を発見現場で棺に入れたとするなら、それでも良いでしょう。問題はその後です。もしも自宅に運ばなかったとすると、どうでしょう。

 カークの遺体は、発見した現場からお墓に直行したことになります。 
 よほど嫌われた人だったとしても、それはあり得ません。

 くどくなりますが、仮にも牧師なのです! 
 逸話によれば、夜に死んで、発見されたのは翌朝です。

 また、場所は自宅の比較的近くで、担いで運べるくらいの距離しか離れていません。 
 人間2人くらいで担げば十分運べる距離です。 
 カークの遺体は発見された後、人手によって自宅に運ばれ、いったん仮安置され、そこで棺に入れられたと考えるのが自然です。 
 これ以外の状況であったとします。 
 であれば、自然ではないのだから、何か普通でない状態、すなわち異常事態の発生です。 
 当然、伝説は今と違った形になったことでしょう。
 でも、あいまいなチェンジリングの話しか残っていないのです。 
 と、言うことは、逆を申せば発見の後、自宅に運ばれ埋葬された部分については、ナチュラル、つまり、特に問題なく、事務的に自然に行われたことを示すことに他なりません。 
 さて、そうなるとチェンジリングは、必然的にもうひとつの、実に実に重大な出来事、言わば、チェンジリングにまつわる最大級の謎を提示してくれていることになるのです。 


 それは!? 

 と、いうことでつづきはまた来週……(^_^;) 

 ほんとにまた来週でも良いのですが、サービス精神旺盛な性格です。けちけちしないで答えを申します(^O^) 

 最大級の謎とは何か! 

 つまり、それは! 

 ちょうど時間となりました…… いいかげんにしろ\(><*) 


 こんどこそ、まじめに答えます(^O^) 

 すなわち、それは! 

 カークのお葬式が行われたということなのです!!! 

 チェンジリングの話を見直すということは、すなわち、カークのお葬式についてあらためて考えるきっかけを与えてくれたことに他なりません。 
 

 普通の人なら、死んだのだからお葬式くらい当然の話となります。特別問題になるようなことはありません。 
 カークの場合はそれでは済みません。 
 なぜなら、死んだのは、我らが
謎の牧師ロバート・カークその人なのですから。 
 

※遺体で発見されたカークは、その後どうなったのか?

 迷探偵、謎晴(なぞはれる)登場。

 遺体はここにある!そして、犯人は…… !?。

 次回は、驚愕のとんでも推理を披露します。ご期待下さい(^_^;)

 

ロバート・カーク チェンジリングの謎(Ⅱ)につづく(ただ今準備中です。もうちょっと待ってね)


 

 

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